歴史

 誓教寺がいつ始まったかは、じつははっきりしていません。開基の玄西(げんさい)が1611年に九十歳で亡くなっており、四十歳の頃本堂を建立したと伝えられていますので、とりあえず、1562年を誓教寺創設の年としましょう。

 当初は、切山ではなく、隣の来巻(くるまき)村に設立されました。来巻村の中心部の小高い山の山頂から少し下がった辺りまでに、本堂や寺地があったようです。杉林になった中に今でもちょっと平らな部分があり、礎石らしい石も出てきます。

 来巻村の誓教寺は、創設から八十年経って、隣の切山村の現在地より150m北側に移転したようです。この移転の経緯もはっきりしませんが、1635年に浄土真宗本願寺派の末寺「誓教寺」として正式に藩と幕府に登録された時は、住所はすでに切山村になっていました。

 それから当分、平穏な日々が続きましたが、1843年5月、長雨の末に裏山が崩れて本堂や庫裡など建物がみんな倒壊という憂き目に遭いました。

 しかし不思議なことに仏具や掛け軸はすべて無事でした。門徒をはじめ近在の寺や有縁の人々の支えによって、一年後には現在の本堂と同じサイズの萱葺きの本堂が、150m南の現在地に竣工しました。仏具はもとのものをそのままつかうことができました。

その21年後、1865年には山門が建ち(現存)、1988年には、140数年もの年月に耐えた萱葺き本堂を建て替え、現在に至ります。2012年は創建450周年ですね。